日本では、「夜にカラスが鳴くと地震が来る」というウワサが昔から囁かれています。
実際に2018年6月18日に起きた大阪府北部地震では、前日の夜にカラスが集まって鳴いていたとSNS上で話題になりました。
カラスは本当に地震を予知する力があるのでしょうか。
この記事では、ウワサの真相とカラスが夜に鳴く理由について解説します。
また、就寝中に地震が起きたときに備えて、普段から枕元に置いておきたい防災グッズ と寝室の地震・防災対策についても紹介しています。
- 夜にカラスが鳴くと地震が来るのは本当か
- 夜にカラスが鳴く理由
- 枕元に置いておきたい最低限の防災グッズ
- 寝室の耐震、防災対策
就寝中の無防備な状態から素早く避難行動をとるためには事前の準備が必須です!
夜にカラスが鳴くのは地震の前兆?
結論から言うと、夜にカラスが鳴くと地震が起こると言うのは迷信であり、科学的な根拠は一切ありません。
カラスは昼に行動する動物なので夜に何羽も集まって鳴いていると、何か起こるんじゃ・・と思いたくなりますよね。
カラスが夜に鳴く原因の一つとして考えられているのが繁殖期です。
カラスの繁殖シーズンは春から夏であり、大阪北部地震(2018年6月)が起きた時期と重なります。
繁殖期を迎え警戒心が強まっているカラスは、わずかな刺激で威嚇したり仲間に危険を知らせるようになるので、夜にも鳴くことがあります。
たまたま地震の前日の夜にカラスが何らかの理由で鳴いていたことも十分考えられるでしょう。
大地震が夜にやってくることが多いのは本当?
夜にカラスが鳴くことと地震が起きることの因果関係はないことがわかりました。
集団でカラスが鳴いているのを聞いて不安になっていた方も、安心して眠ることができるかもしれませんね。
しかし、夜にカラスが鳴くことと地震の関係はありませんが、夜に地震が起きることが多いと思った子はありませんか?
2016年の熊本地震では、1度目の震度7の前震は4月14日の21時26分、そして2日後同じく震度7の本震は1時25分に起きています。また、その前後の震度6弱以上を記録した地震のほとんどが夜間帯に起きていることがわかります。【平成28年(2016年)熊本地震の関連情報:気象庁】
阪神淡路大震災は早朝の5時46分、新潟中越地震は17時56分に揺れが起こりました。
東日本大震災は昼間の14時46分に発生しましたが、他の大地震の時間帯を見ると例外的と言えるかもしれません。
夜は昼間よりも静かに過ごしている人が多いのでわずかな揺れを感じやすいと言う見方もありますが、近年海外の学者を中心に「大地震は昼間よりも夜に集中する傾向にある」との研究結果が集まっています。
就寝中に起きる地震への備えはとても重要
夜は寛いだり就寝中だったりと多くの人は無防備な状態でいるので、そんな中で地震が起こるととっさの行動が取れず避難が遅れてしまう可能性があります。
特に寝ているときは揺れに気づくまでにタイムラグがあり、判断が遅れることで命に関わります。
揺れが起きたときにまずやること
就寝中に揺れに気づいたら、まず布団をかぶって頭や身体を保護しましょう。すぐに逃げようとすると転倒したり怪我をするリスクがあるので、揺れがおさまるまではじっとしていることが大切です。
その後周囲の確認を行い、安全な場所に避難しましょう。
枕元に防災グッズを備えよう
揺れがおさまったら、周囲の状況を確認し、
・家の中が危険なら防災リュックを持って屋外へ避難
・自宅の安全な場所へ避難
のどちらかを選択することになりますが、地震の影響で停電が起こってしまうと真っ暗で周囲の確認もままなりません。
そんな時に役立つのが枕元の防災グッズです!
枕元に備えておくのは、地震でメチャクチャになった室内で安全を確保しながら移動するための防災グッズです。
安全に部屋から脱出することで、次の避難行動も適切に行うことができます。
次項で詳しく見ていきましょう
枕元に置くべき防災グッズリスト
枕元に置く防災グッズは以下の6つです。
・懐中電灯
・スリッパ
・軍手
・笛(ホイッスル)
・メガネや薬
・防災グッズを入れる袋、ポーチ
懐中電灯(ヘッドライトなど)
夜間の地震で停電が起こってしまうと、外の月明かりのみで部屋が真っ暗になるので状況確認や安全に移動するためにもライトは必須です。
懐中電灯でも良いですが、状況がわからない暗闇の中でなるべく両手を開けておくためにここではヘッドライトをおすすめしています。
私は枕元に100均で買ったヘッドライトを備えています。
本格的な防災グッズのライトは非常用持ち出し袋に備えて、枕元のライトは簡易なもの・100均で手に入るもので構いません!
すぐに使えるよう電池を入れておくのを忘れないようにしてくださいね。
また、電池切れやいざと言うときにきちんと使えるか不安な方はコンセント充電式で停電時には自動点灯してくれるライトがおすすめ。
取り外すと携帯灯になり、日常生活でも足元灯としても使える優れものです。
スリッパ
大地震が起きて窓ガラスが割れたり家具が倒れて物が散乱した場合に備えて、足元を保護するものを準備しましょう。
靴やスリッパなど何でも構いませんが、絶対条件として足先が出ていないものにすること。足全体をしっかり保護してくれるものを選びましょう。
ルームシューズタイプの折りたたみスリッパだとコンパクトに収納できるのでいいですね。
私は子供の学校に行くとき用の折りたたみスリッパを置いています。
また、災害用に危険なものが貫通しないよう特殊な加工がされたルームスリッパもありますよ。
軍手(グローブ)
移動時にものをどかしたりするときのために、手を守るグッズも備えましょう。
防刃手袋といってガラスや危険物が貫通しない手袋だと安心ですが、100均の軍手でも十分です。滑り止め付きを選ぶようにしましょう。
笛(ホイッスル)
大地震の時には家具が倒れてきて身動きが取れなくなったり、ドアや窓が歪んで開かなくなったりするリスクも考えられます。
そんなとき、助けを呼ぶためにはホイッスルが有効です。
大声を出して助けを呼び続けることは体力の消耗や、のどを痛める原因にもなります。
100均に売っている笛でも構いませんが、防災用に売られているものなら少ない息で大きな音を出すことができるので今から買い揃えようとしている方は検討してみてください。
コクヨのツインウェーブは、人間にとって聞き取りやすい2種類の周波の音を出せ、吹き口もキャップ付きで衛生的なのでおすすめです。
メガネ(予備のもの)や薬
いざと言うときに他には換えがきかない、生きていく上での必需品は必ず枕元にも備えるようにしてください。
メガネや薬などがこれにあたりますが、日頃から枕元に置いておいたとしても地震の揺れでどこかに飛んで行ったり壊れたりする可能性もあります。
メガネは買い替えの際に古いものを捨てずに、予備として枕元に置く防災グッズの中に入れておくことをおすすめします。
防災グッズを入れる袋、ポーチ
これらの防災グッズは必ず一つにまとめてポーチやかばんの中に入れておきましょう。
地震でバラバラになってしまうのを防ぐためです。
防災グッズの収納方法については次項で説明します。
防災グッズは寝室のどこに置く?
防災グッズを準備して一つにまとめた後は、保管する場所の確保も大切です。
停電した直後もすぐに手元に手繰り寄せて使えることが必須なので、地震で飛んで行かないよう固定することが望ましいです。
例えば、
・ベッドの足や手すりにくくりつけておく
・ベッド近くの引き出しの中に入れる
・敷布団の下に入れる
などが考えられます。
我が家は保存水を備えている無印の頑丈ボックスの中に一緒に入れています!
寝室の耐震・防災対策もしっかりと!
就寝中の地震から命を守るには、防災グッズにプラスして寝室の地震対策もしておきましょう。
震度5以上の大地震が来ると、固定していない家具は動いたり倒れてくることがあるため、基本的には寝室には何も置かないことが望ましいです。
作りつけのクローゼットがあればそちらに全て収納するようにしましょう。
家具を置く場合は転倒防止の突っ張り棒などで家具を固定するのが有効です。
また、
・ベッドや布団から離れた場所に置く
・避難経路(入口など)を塞がない所に置く
この2点に気をつけることで、万が一家具が倒れてしまっても安全に避難できる確率が上がります。
まとめ
カラスが夜に鳴いても地震を心配する必要がありませんが、夜に来ることが多い地震に対策をすることはとても重要です。
寝室は一日の中でも長い時間無防備な状態でいる場所なので、防災グッズの準備と耐震対策の両方をすることで、突発的な地震にも落ち着いて行動することができるでしょう。
枕元に置いておくのは、命を守るために本当に大切な防災グッズのみで、100均でも揃えることができるので、ぜひ備えを見直してみてくださいね。