もし停電したら、冷蔵庫の中身が心配…
近年、頻繁に起こる災害の影響で大規模な停電が起こることが多くなっています。
2019年9月に関東地方を襲った台風15号では千葉県を中心として最大93万戸が停電し、復旧にかかった時間は280時間とかなり長期化しました。(出典:経済産業省資源エネルギー庁)
停電した時に特に困るのは冷蔵庫がつかえないことではないでしょうか。
短時間ならまだしも停電が長引きそうな場合、中の食材はどうすればいいのか…コンセントは抜いたほうがいいのか…気になることはたくさんありますよね。
この記事ではそんな疑問を解決します。
平時のうちから読んでおくと、いざという時に慌てず行動することができますよ。
今まさに停電中ですぐに対策を知りたい方は目次から『停電した時の冷蔵庫対策』に飛んでくださいね!
- 停電時、中身を守るためにやるべきこと
- 中身を処分する目安
- 停電時のコンセントの取り扱い
- 普段からできる停電対策
停電した時の冷蔵庫の対策
冷蔵庫の扉は極力開けない
停電してから冷蔵庫内の冷気が保たれるのは2~3時間と言われています。
この時間を過ぎると徐々に庫内の温度が上がっていき、中の食材が傷んでしまいます。
保冷時間を保つのに大切なのは扉を極力開けないこと。
冷蔵庫を少しでも開けると冷気が逃げてしまいます。
逆に扉を開けないでいると冷気が保たれ、数時間は庫内の温度を維持することができます。
冷凍庫は一切扉を開けなければ4時間以上は持ちます。
冷蔵庫の性能や気温にもよりますが、12時間~数日もったという被災者の声もありました!
床にタオルや雑巾をしく
停電して長時間経つと、庫内の冷気が水になったり霜がとけたりして冷蔵庫下から水漏れしてくる可能性があります。
そのままにしておくと水浸しになって漏電につながるので、床にタオルや雑巾をしいておくようにしましょう。
コンセントは抜く
一般的には停電時でも冷蔵庫のコンセントは抜かなくてもいいといわれています。
停電時にコンセントを抜く必要のある家電は、
・暖房器具や電気ポッドなど発熱する電気器具
・モーターを使い、起動時の電力消費が大きい家電製品
です。
発熱する電気器具は火災の危険があり、電力消費が大きい家電は復旧して一斉に稼働するとブレーカーがおちる可能性があるためです。
冷蔵庫はこれらの家電に該当しません。
しかし、私はコンセントを抜くことをおすすめします。それは、
・自宅や家電が被害にあった時
・水漏れしている時
のためです。
地震や浸水で自宅が被害に遭ったり家電に損傷がある場合は、通電した時に火災が発生するおそれがあります。
また、停電が長時間にわたって庫内の水が漏れだしてしまった時も漏電につながることもあります。
緊急時には慌ててしまい冷静な判断をすることは難しいものです。
災害が起こるたびに回りの状況をみてコンセントを抜くか考えていてはもっと大事な判断が遅れてしまう可能性があるので、停電になったらコンセントを抜く!と覚えておきましょう。
停電が長時間続いた時の対策
3時間以上続いたら消費、廃棄を考える
停電が3時間以上続いたら冷蔵庫内の食材が傷んできてしまうので、消費するか廃棄することも考えましょう。
腐りやすい魚や肉などの生鮮食品を優先的に食べてしまうようにしましょう。
停電していてもガスは使えるので、ガスコンロであれば使うことができます。
しかしIHコンロやオール電化住宅の場合、調理することができません。
そんな時のために一台カセットコンロを備えておくと重宝します。
停電復旧後に確認すること
正常に動作しているか
コンセントを抜いていた人は漏電の恐れがないか確認してからさすようにしましょう。
他にも壊れている所がなさそうか正常に動作しているかを確認します。
冷蔵庫の設定は変わっていないか
一度電源を切ると、冷蔵庫の設定がリセットされる可能性があります。お使いの冷蔵庫の取扱説明書を確認して再設定するようにしましょう。
お使いの機種によっては停電により各設定(温度設定や製氷モードの設定など)が変わる場合があります。設定が変わっていた場合は、ボタン操作で再設定してください。
引用:停電時における主な家電製品のお取り扱いについて HITACHI
停電がおこったときは、自動製氷の設定は、通電後は設定が保持されています。(一部機種を除きます。)
引用:SHARP
また、タイマー・おいそぎ冷凍・おいそぎ製氷などの設定は解除されます。通電後、あらためて設定してください。
普段からできる停電時の冷蔵庫対策
急に停電した時に備えて普段からできる対策をお伝えします。
冷蔵庫内は余裕を持たせ、冷凍庫は詰めておく
冷蔵庫内の容量が50%の時に測定時間中の庫内の温度が最も低く、冷凍庫内だと容量が100%の時が最も低かったことが分かっています。(参考:冷凍庫・冷蔵庫の停電時における影響調査)
つまり、冷蔵庫は食材を詰め込みすぎず冷凍庫は隙間なく食料が入っている状態であれば、庫内の温度を低く保つことができます。
急な停電が多いので、普段から冷蔵庫内を確認しておくことが大切ですね!
保冷剤を用意しておく
冷凍庫の中にいくつか保冷剤を備えておくようにしましょう。
保冷剤があることで電源がきれても中の食材を冷やしつづけ、庫内の温度をより長時間保つことができます。
また、停電時の熱中症対策にも使えます。
ペットボトルの水やお茶などを凍らせておけば、保冷剤がわりにもなり、溶けたら飲むこともできるので一石二鳥ですね。
蓄電池を備える
停電した時にできるだけ冷蔵庫内の冷気を保つ方法をお伝えしましたが、長時間続いてしまうと結局は食材をダメにしてしまうことがあるかもしれません。
そういった場合に備えて、
家庭用蓄電池を備えておくことも一つの手です。
家庭用蓄電池があれば停電時でも冷蔵庫を動かすことができますし、他の家電やスマートフォンの充電にも使えます。
非常時のためだけに備えるには少し高価ですが、深夜の電気代が安い時に充電し、昼間に蓄電池を使うことによって日常使いができ、節約にもつながります。
\工事不要ですぐ備えられる/
まとめ
- 冷蔵庫内の冷気が保たれるのは2~3時間
- 扉は極力開けない
- コンセントは通電火災の可能性があるので抜く
- 冷蔵庫内は余裕をもたせ、冷凍庫は詰めておくことが対策につながる
最近の冷蔵庫は高性能なので、対処さえきちんとできれば中身は意外にもつことがおおいです。
突然の停電の場合は慌てがちですが、おちついて行動すれば食材を廃棄することなく乗り切ることができますよ。
停電した時に備えてモバイルバッテリーも用意しておきましょう。↓